語弊をおそれず言うならば、ごっりごりの体育会系ミニマリスト、でしょうか。そんなパワーに溢れている一冊。
モノを極限まで使いきる、使いたおすことを「使い果たす」と表現し、ミニマリスト界で独自路線を突き進む森秋子さんの著書を拝読しました。
『使い果たす習慣』森 秋子
この表紙の焦げたやかんは森さんが十数年愛用しているというもの。全編を通して見ると、このやかんこそが「使い果たす」パワーを象徴しているように思えます。
何気なく手に取った本書、これが面白い。本当に面白いんですよ。良い意味でぶっ飛んでいて、突き抜けていて、後半は笑っちゃいました。
ひょっとすると、一般的なおしゃれ・ゆるふわミニマリストを目指したい方にはもしかすると「???」となるフシが多いかもしれません。中にはかなり力づくなところもありますので。
一般的な感覚からすると、共感できるところ、できないところがはっきりわかれるのも、本書の特徴なのかもしれません。
靴はスパルタ履きで使い果たす
このパートで著者のマッチョ的な思考が印象付けられます。
靴は「消耗品」です。長く履くことにこだわって、履かないと、どんどん履かない靴が増えます。買ったその日から「地獄のスパルタ履き」で履きまくるほうが、結果的には「この靴が一番美しい時間」を長く楽しめます。
『使い果たす習慣』森 秋子 より
ミニマリストさんの書籍で「スパルタ」なんて言葉、他にありましたでしょうか?いや、良いんです。私もこの「スパルタ履き」には強く共感。買ったシューズはとことん履きつぶしてきましたし、きっとこれからもそうすることでしょう。
手数料は「ラグジュアリー代金」
本書の中でもこの発想がかなり独特で面白い。みなさんいかがですか?
銀行の手数料を無駄という人もいますが、ATMの手数料も、時間外手数料も損をしているとは全く思いません。手数料を払ってまでおろすかおろさないかの指標になってくれますし、コンビニにATMがあれば、いざという時にすぐに引き出せます。その素晴らしいサービスにお金を払わないほうが不自然にも思えます。あまりに便利なので、むしろもうちょっと払ってもいいとさえ思います。
『使い果たす習慣』森 秋子 より
私はできるだけ銀行・ATMで100円でも200円でも手数料を払いたくないので注意してお金を引きだすようにしているのですが、この真逆を行くスタイルが、なんと痛快なこと。
いや、たしかに考えてみれば便利な仕組みです。ほとんど好きな時に必要なお金が手元に用意できるのですから、ATMは便利。その対価がみあったものと感じる方であれば、「もっと払ってでも」と思えるのです。
モノが変われば、たしかに私も思い当たるフシはあります。「これ、こんなに安くて良いの?もうすこし高くても買いたい」ということはありますし。
風呂で家フェス、洗面所をプライベートオフィスに
このパート、めちゃくちゃ自由すぎ…。いったいどんなご家庭なのか…。
家族と自由に遊ぶ
このパートも、めちゃくちゃ自由すぎ…。ぜひご家族側からもお話を聞いてみたいものです。
誕生日に好き放題の贅沢
このパートも…。
もう全編ツッコミどころが満載すぎて、面白すぎます。目から鱗といいますか、コンタクトが外れそうになります。
いや、普通のミニマリスト関連書籍が食傷気味に感じる方には、風穴を開ける一冊になるかもしれません。ご興味のある方は、ぜひ。
楽しく拝読させていただきました。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫