図書館で借りたり、メルカリでお得に手に入れたり、本屋さんでふらっとジャケ買いしたり――。5月も本まみれの毎日でした。
読書、最高。








スキンケアと人生の交差点
いちばん強く印象に残ったのは、伊藤聡さんのエッセイ『電車の窓に映った自分が死んだ父に見えた日、スキンケアはじめました。』。
インパクトのあるタイトルにひかれて読み始めたら、ぐいぐい引き込まれて一気読み。ギターのエフェクターと化粧品の共通点を語るパートでは、笑いながらも心が動きました。
気づけばドラッグストアでスキンケア用品を手に取っている自分がいました。この作品は、また個別に記事を書きたいと思います。
名著との出会い──『アンネの日記』
タイトルだけは知っていた『アンネの日記』。ようやく読んでみて、その凄みに言葉を失いました。
ナチスの迫害を受けながらも、日常を綴り、人を信じ、未来を夢見るアンネ。結末を知っているからこそ、読む手が重くなるけれど、資料としても、人間の可能性としても、本当に大切な一冊でした。
物語のなかの幻想と現実
村上春樹さんの短編集『一人称単数』は、ふと日常の隙間から非日常がのぞくような、静かな余韻が心地よい一冊でした。
いつも通りちょっとだけファンタジー。私も文庫本をポケットに忍ばせて、独りでバーに行って読みたくなるような…いや、行かないんですけどね。
鬱々とした闇──芥川龍之介『歯車』
『歯車』は芥川が自殺前に書いた作品。その不穏さと湿度のある不安感。まるで遺書を読んでいるような感覚になりました。短いながらもじっとりと深く、静かに心を揺さぶられます。
暮らしと防災を考えるミニマリズム
ゆるりまいさんの『わたしのウチには、なんにもない。』は、ミニマリスト界では有名なコミックエッセイ。
ちょっと病的とも言える筆者のキャラに好き嫌いは分かれそうですが、震災の経験から「モノが凶器になる」と気づき、減らす決意をした話には強く共感。
我が家でも“目線より上にモノを置かない”を実践中です。非ミニマリストの家族との共存に悩みながらも前向きにつきすすむ、ゆるりさんの姿が印象的な内容でした。
子どもと読んだ「命を守る本」
『いのちを守る図鑑』は、子ども向けかと思いきや、大人にも示唆に富んだ一冊。8歳の息子が夢中になって読んでいて、親としても勉強になりました。
前半は「サメに襲われたら?」「ライオンに襲われたら?」という非現実系から始まり、後半は「いじめ」「性被害防止」「自己肯定感」など、今まさに子どもたちに必要な情報が満載。
個人的には小中学校、各クラスに一冊ずつ置いてほしい本。心からそう思いました。
ピリリと効く、ミステリー短編集
久々のミステリー、歌野晶午さんの『家守』。タイトルの通り「家」にまつわる物語が詰まった短編集で、どれも小粒ながら読み応え十分。この文庫本を鞄に入れて、暇さえあれば取り出して読んでいました。
個人的に「鄙」や「埴生の庭」はとくに心に残りました。くるなくるなと思ったら、やっぱりきた!という読後感がたまりません。
これをきっかけに、毎月1冊ミステリーを読む習慣を再開したいと思います。
台湾の日常にふれる旅
最後は青木由香さんの『暮らしの図鑑 台湾の日々~』。ただパラパラと眺めるだけで、台湾に行きたくなる。
長年現地で暮らした著者だからこその視点と、ユーモアと皮肉まじりの文体が心地よく、台湾のリアルな生活が垣間見える一冊でした。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫