【ちょっとした感想文】『News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳

みなさん、毎日ニュースを見ていますか?新聞を読んでいますか?

私はというと、ほぼまったく見ていません。

非国民と言われるかもしれませんが、サッカーのワールドカップが開催されていることも、大会が始まってから知りました。

でも、いーーんです!(楽天カードマン?)

こちらは自分が今の情報収集スタイルでいても良いのだと、納得させてくれる一冊でした。

目次

『News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』 ロルフ・ドベリ

『News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳

著者のロルフ・ドベリ氏はスイス生まれの作家であり実業家。「Think clearly」「Think smart」「Think right」などのビジネス書を多数執筆。著書は40以上の言語に翻訳され、累計発行部数は300万部を超えるとのこと。

もはや本書「News Diet」の観点からいくと、ドベリ氏の熱烈なファンの方以外には、これらのバイオグラフィー・ディスコグラフィー自体、記憶にとどめておくべきことでもない、不要な情報なのかもしれません。

ニュースの危険性

かつて著者は自称「ニュース中毒」というほど、世の中の情報を積極的に取りにいくことにのめり込んでいました。

新聞・雑誌に加え、ネットの普及により世界中の情報がいつでもどこでもほとんどの場合無料で手に入る時代。

ニュースの波を泳ぐ中、疲れはじめた著者はしだいにニュースの危険性を感じるようになったといいます。

私は常に最新情報に満たされているのを感じて、その状況に感激し、夢中になり、うっとりと酔いしれた。まるでアルコールを飲んでいるみたいに。ただし、アルコールは頭をぼんやりさせるが、ニュースは知識をつけてくれる――私はそう思い込んでいた。だが実際には、ニュースはアルコールと同じくらい危険なのだ。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 2私がニュースを断つまで その② より

ニュースはいたるところにあるし、その大半は無料で、考えずともあなたの意識のなかにするりと入り込む。ニュースをしまい込む必要はないし、処分しなければならないものも何もない。この”マイナスのハードル”のせいでニュースは非常にたちが悪い。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 2私がニュースを断つまで その② より

私もかつては某経済新聞、ローカル新聞、そして仕事上で必須(だと思っていた)業界新聞、を購読していました。

最新の情報を得られないと、社会からはみ出すのではないか、人として正当に扱われないのではないか、と思っていました。

そんな思いから、闇雲にニュースをむさぼるような、ある意味ニュース中毒になっていた時期があったと思います。

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ニュースで自分の世界は変わったか?

著者は膨大な量のニュースを目にし続けることで、やがて気づきます。

ニュースの消費に一万時間も費やしたあとで、私ははじめて自分自身にこんなふたつの質問を投げかけた。「ニュースのおかげで、私は世界をもっとよく理解できるようになっただろうか?よい決断ができるようになっただろうか?」答えはどちらもノーだった。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 2私がニュースを断つまで その② より

この瞬間、著者の「ニュース断ち」が始まり、「2010年以降、日刊紙は購読していないし、テレビのニュースも見ていないし、ラジオのニュースも聞かず、ネットニュースにも浸っていない」生活を送っているといいます。

ニュースなしの生活は、自信を持っておすすめできる。あなたはいまよりよい決断ができるようになる。いまよりよい人生が送れるようになる。それに、信じられないかもしれないが、大事な情報をのがすこともない。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 2私がニュースを断つまで その② より

そうなんです。この点、私も「ニュース断ち」をしてから感じるところなのです。

世の中、知らなくても良いことが多すぎる

芸能人の不倫、どこかの殺人事件、スポーツで誰が勝った・負けた。

はたして、私の実生活において、それらが影響してきたことは?

自問しても、まったく思い出せません。

つまり、答えはそういうことなのです。

要は、世の中、知らなくても良いことが多すぎる、ということ。

ある意味残念で残酷な事実かもしれませんが、これを受け止められるかどうか、が本書のポイントなのかもしれません。

ひとつ面白い遊び(?)が紹介されています。

紙を1枚用意してテーブルの上に横向きに置き、たて線を引いて紙の表面を10等分しよう。そして左から右に向かって、2010、2011,2012・・・2019というように、過去10年間の年数を書き入れる。そして今度は紙の中央に水平に線を引き、それぞれの欄を上下ふたつに分割する。そうしてできたほうの欄に、その年に起きた重大ニュースのうち、あなたの頭に浮かんだものをすべて書き留めてほしい。(中略) この試みの目的は、「ニュースがいかに一過性のものにすぎないか」をあなたに示すことだ。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 30まだ確信が持てない人へ より

私もあれだけ頑張って情報を得ようとしてきたはずなのに、バケツに穴が空いていたようにそれらがこぼれて、ほとんど何も残っていないことに気づき愕然としました。

もともと、ポンコツな私も記憶力もあいまって、情報は頭に残りません(笑)

しかしそれでも、私たちは日々元気に生きていられる。

これはむしろポジティブな気づきはではないでしょうか?

「能力の輪」の内と外

著者は「ニュース断ち」で一切の情報をシャットアウトしよう、ということは言っているわけではありません。

ここで重要なのは、私たち個々の「能力の輪」だということ。

ちなみに「能力の輪」という言葉は、伝説の投資家ウォーレン・バフェットが使った概念だそうです。

バフェットはこんな人生訓を持っている。「自分の能力の輪を知り、そのなかにとどまること。輪の大きさはそれほど大事ではない。大事なのは輪の境界がどこにあるかをきちんと把握することだ」。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 9ニュースは「能力の輪の外にある」より

この「能力の輪」について、著者はかなり極端にこう述べています。

あなたの「能力の輪」の内側にある情報はどれも価値のあるものばかりだが、「能力の輪」の外側にある情報はすべて無視したほうがいい。

News Diet 情報があふれる世界でよりよく生きる方法』ロルフ・ドベリ 安原実津訳 9ニュースは「能力の輪の外にある」より

「能力の輪」の外にある情報を消費するのは時間の無駄だけではなく、人の集中力も低下させる、といいます。

具体例を挙げると、私の場合、「家族に関すること」「仕事内容に関すること」「マラソンやチームに関すること」「好きな音楽に関すること」が、「能力の輪」の内側にあることで、それらに関することは積極的にインプットしようと心がけています。

反対に、シンプルにそれら以外に関する情報は自分にとっては「能力の輪」の外にあるものなので、すすんで得ようとはしていません。

人から「え、最近あったそんなことも知らないの?」と言われても、気にしません(笑)

輪の内側でチャンスをつかむ

私はこの「能力の輪」を意識した情報取捨スタイルになってからは、「情報を得られなくて損をした」と思ったことがありません。

むしろ、あらゆる好きなことにフォーカスして生きているため、趣味や興味に関する情報が自然と集まり、その中で思わぬチャンスをつかんだり、知らない世界を見ることができたり、むしろ「得をした」、と感じることのほうが多いのです。

特に趣味のマラソンにおいてはその傾向が顕著です。

ありがたいことにランニングチームメンバーのみなさんがいてくださるおかげで、マラソンの有益な情報を得たり、メンバーの頑張りにモチベーションが上がったりしています。

またお互いに情報共有して高めあっていければ良いなぁと思っています。

このように、私はこれからも輪の内側と外側と意識した情報の取り方をしていきます。

好きなことにはとことん詳しく、興味がないことはとことん知らないやつなので、今後も私のことをそんな人間だとご理解いただければ幸いです(笑)

本書はそんなミニマルな私の生き方にぴたっとはまる一冊でした。

おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫

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