その豪快な笑顔から、破天荒なイメージが先行しがちな方でした。
こちら、ワコール女子陸上競技アドバイザー福士加代子さんの自伝、その名も「福士加代子」。
わくわくしながら一気読みをして、読了です。
有名アスリートには、必ず努力と根性の舞台裏があるもの。
いつも明るい福士さんにおかれても、それはそれは、山あり谷ありのアスリート人生を送ってこられました。
福士さんが2022年の引退まで、実に20年以上も現役で走り続けてこられたその原動力とは何か?
本書にはそれがまるごと詰まっていて、潔く、まったく出し惜しみありません。
なにより特徴的なのが、ご本人の回顧録に挟まれる、周囲の方からのメッセージ。
ちゃんとわかりやすく、冒頭に似顔絵付きの登場人物と相関図があるので、誰が誰かわかりやすい。
恩師の先生やコーチ、お友達など、みんな「福士さん大好き」で、読んでいるととても温かい気持ちになります。
また、一番そばで福士さんを支える旦那様が、本書の「監修」というのも面白い。
もともとテレビ局でスポーツ番組を担当するディレクターさんで、福士さんのドキュメンタリー番組も制作されていたそうです。
そんなプロが夫の立場から見た、福士さん像。
だから本書もドキュメンタリー番組を見終わったかのような読後感なのですね。
数々のトラックレースで好成績を叩きだしたものの、2000年代後半までマラソンに興味がなかった福士さん。
それが初マラソンから失敗を繰り返しつつも、あれよあれよと「マラソン沼」にはまっていく過程も興味深いです。
自分の気持ちに正直に行動し、次々と道を開いていく福士さんの姿に、読後たくさんの元気をいただきつつ、これからも応援したくなりました。
そんな福士さん、今年も金沢マラソンのゲストとしてお越しいただけるそうですよ。
また大会を笑顔で包んでくれそうですね(^○^)
ここからは全然、福士さんと関係ないのですが。
ワタクシ、現在41歳で、実は福士さんとは同い年。
同い年って、なんだか親近感がわきますよね。
現実世界でまったく接点がなくとも、「自分が〇〇していた時、この人はこんな人生を送っていたんだ」みたいな謎の妄想ができるという(笑)
福士さんにおいてもそうで、私が高校を卒業して大学に入学する頃にはワコールに入社し、そこから20年も現役で走ってこられました。
思わず、自分の20年と福士さんの20年と、重ねてしまいました。
福士さんがめちゃくちゃ頑張っていた頃、私はチャラチャラ金髪で勉強もせず遊んでいたなと(笑)
もちろん、どの人生が良かった悪かった、優劣も何もありません。
ただただ同い年の方が、長期間にわたって好きなことを突き詰めてこられた、ということに、素直に刺激を受けるのです。
私は私の切り口で、これからもマラソンを楽しもう(^○^)
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫
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