正直言って、マラソンの中でも上り坂には自信がありました。
あまり口にすることはなかったのですが、密かに自負していました。
しかし、今回の「飛騨高山ウルトラマラソン」の名物の激坂「千光寺」、見事に打ちのめされました。
100kmの部のちょうど60kmを超えたあたりに立ちはだかる難所の激坂、千光寺。
もう少しだけ余力がある状態で挑むも、結果的に惨敗。
自分に惨敗。
それが悔しくて一日ずっと考えていました。
スタートから順を追って完走記でもつづろうかと思っていましたが、思いはこの坂にひっぱられます。
そこに至るまでは比較的順調な走りで、60kmまでは立ちはだかるアップダウンをなんとか乗りこなしてきた感じがありました。
ところが、これは別格。勾配が異常にきつすぎる。
見ると、わたしの前を走るランナーさんも全員とぼとぼと歩いているではないですか。
おそらく、全員サブテンランナーさんだと思いますが、みなさん歩いています。
これは差を詰めるチャンス。
上り序盤は何も考えず、小幅でちょこちょこと省エネで走ろうかと思いました。
ところがなかなか前に(上に)進まない。
足を前に出しても出しても進まない。
そこで犯した最大のミス。
それは、すれ違うランナーさんに声をかけてしまったこと。
今なら、この場所ではこれはやってはいけなかったと思えます。
完全な諦め。恥ずかしげもなく、力を抜いた、気の緩み。
わたしがお声かけしたランナーさんは、過去に何度か大会に参加された方で、親切に「千光寺の坂は歩くもの」と教えてくれました。
「ここで無理すると後に響く」、と。
なーんだ、みんなそうならここでたいして差がつかないじゃないかと、むしろ気持ちが楽になってしまいました。
ところが。
後ろからスタスタと静かに、颯爽とわたしたちを抜き去っていく、ランナー1名。
淡々と、ひたすらに足を進める。ゴールに向かって誰にも何にも影響を受けない強い気持ちが伝わってきます。
その方は、ゼッケン「3025」、ピンクのランシャツの女性ランナーさん。
その方とは、坂の前まではしばらくいったん抜きつ抜かれつつ、同じように走っていました。
そしてすれ違う際に、思わず「めちゃくちゃ速いですね!」と気安くお声かけしたのですが、わたしを一瞥するかしないかで、クールに前を向いて補給しながら走っていました。
気迫がすごい。。
そのあと、先を走るランナーさんが3025さんと2人で話す様子を見たので、3025さんが去ったあとに、もう1人のランナーさんにお声かけしました。
「あの方、めちゃくちゃ速いですよね」
その方によると、それもそのはず。ウルトラ界隈では有名なランナーさんで、300kmのレースも走破しているのだとか。
凄すぎる!
その話を聞いた後に、3025さんに千光寺の坂を後ろから走りながら抜かれたので、衝撃が走りました。
なんという気力。精神力。とにかく気持ちが強い。
その辺りをだらだら歩いている男子ランナーより、はるかに強い。
その3025さんのことを教えてくださった方からちゃっかりお名前も聞いたので、あとで結果を調べてみました。
もちろん、女子の部の入賞でした。
調べてしまってすみません、気持ち悪くて。
さらに。
そのランナーさんのことをネットで調べてみると、なんと、わたしの目指している「さくら道国際ネイチャーラン」(名古屋市から金沢市までの250kmの超長距離レース)を2018年に女子上位で走破しているではないですか。
またまた調べちゃってすみません、気持ち悪くて。
でもそうか、「さくら道」を走り切るには、これくらいの走力がいるのか。。。
千光寺の激坂をてくてく歩いてしまう程度では、過酷なレースは走りきれないということです。
なんだか目が覚めた思い。
しばらく忘れかけていた気持ちが戻ってきたというか。
今年の「さくら道」が流れたことでウルトラに対する気持ちにブレが生じつつありましたが、また燃えてきました。
今回、結果的にサブテン(10時間切り)はできたものの、内容としては千光寺にコテンパンにやられた、負け試合だと思っています。
周りに流され、自分を見失って、最後まで自分を取り戻せなかった。
めちゃくちゃ悔しい。
なので、すでに来年のリベンジも決定しました。もう一度挑戦します。
来年は、千光寺の激坂を走って登りきる。決めました。
今年もうひとつ実績を重ねれば、来年4月に「さくら道」を走れるチャンスをまた掴めるかもしれない。
もしそうであっても6月の飛騨高山ウルトラマラソンは出ます。
このまま自分に負けたままでは終われない。
もう一年修行を積んで、来年納得のいくレースを納めたいと思います。
ただの自己満足かもしれませんが、せっかくいただいた命、じゅうぶんに味わい尽くしたいのです。
。。。それにしても、画像も何もなく、素っ気ない回ですみません。
以上、ただの決意表明でした。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫
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