42歳のパパと7歳(小2)の息子くんが、親子で通うドラムレッスン。
ある日、予定していた時間にいつものように始めようとしたら、息子くんが急におなかが痛くなったと言います。あれ?さっきまでそんなこと一言も言っていなかったのに。
決してサボりたいわけでもなく、本当に表情はしんどそう。とりあえず「トイレ行って来てね」と出すものを出してもらい、戻って来たらスタジオの隅で休んでもらうよう、うながしました。
仕方がないので、彼が復活するまでしばらくの間、パパが個人レッスンを受けることになりました。息子くんが取り組んでいる課題曲を私も叩けるようにと思って、ドチタチ手足を合わせます。
すると今度は息子くん、今度は手持無沙汰になってスタジオのものを触りたがります。
そのうち先生が触ってほしくないものにも手を出すと、先生が一度注意しました。ところが本人はそれを面白がってもう一度触ってみたりします。そんな感じで、パパが練習している間にちょこまかと動き回る、でも体調が悪い、みたいな感じが続きます。
どうも本当に具合が悪いようで、室内が寒いといいます。確かに練習している私たちはちょっと暑いくらいに感じるのですが、スタジオ内はエアコンが効いてちょっと冷えていました。
先生は温度を調整してみますが、それ以上、風を避ける場所にいてもらう他ありません。そうしてレッスンの時間も残りわずかな時、彼が目を付けたものが、バスドラムの中の毛布(※バスドラムの胴鳴りをミュートするためのもの。)でした。
バスドラムのフロントヘッドに空いた穴の中から、暖かそうな毛布が見えたので、「これだ!」と思ったのでしょう。彼がその穴の中に入ろうとしているのを、先生が見つけました。
「そんなところ、入らないでね」。私への指導の隙を見て、先生は息子くんを注意します。すると、いったんは止まる彼。その間、私は自分の手足に集中して彼のことを見ていませんでした。
そしてまたしばらく先生と私と二人でドチタチ練習していると、突然「出られないー!!」と息子くんの声が聞こえてきて、二人で振り返りました。
何事かと目をやると、そこにはバスドラムの穴からはみ出した、息子くんの足。
え!?まさか本当にあの穴の中に入ってしまったの?間違いありません。
息子くんは慎重120cm弱、小学校2年生としては小柄な体型。それでもあの小さな穴に、どうやって入ったの…?
凍り付く先生と私。原因はともかく、とりあえず彼を穴から出さないといけません。
足を引っ張ってみるも、ドラムのフロントヘッドが破れそうで、これはやばいぞと焦ります。
ぐっと無理やり足を引っ張ろうとすると、穴の周りの鋭利な部分で切れそうで、それも怖い。
いや、もう選択肢もありません。勢いで引っ張るしかない。思い切って息子くんの足を握って引きました。
すぽん。
そんな身体がどうやって入っていたのか。なんとか無事に彼は外に出ることができました。幸い、彼の足にケガはありませんでした。
ですが、やはりフロントヘッドの穴の周りはベコベコに歪んで、これは弁償必至。先生には誠心誠意お詫びしないと…。
そして、無事に狭く暗い穴から脱出できた反動で、泣きじゃくる息子くん。
「このこと、ママに言わないで~!!」
‥なるほど、それは一番心配なところだよね。ママが知ったらぜったい怒られるパターンのやつです。よしよしよし。
ですが、いちばん反省すべきは、自分の練習に集中して息子くんのすることから目を離していた、私、パパの監督不行き届き。完全に彼の行動がノーマークでした。息子くん、ごめんね。先生、すみませんでした。
レッスンに通い出して1年以上が経ち、慣れと油断とあったと思います。「まさかそんなことしないだろう」とは、やはり7歳の子ども、まだまだ軽く考えてはいけないのですね。今回のことでよくわかりました。
今回は子どもが具合が悪かったことで普段とは異なった行動パターンになったこと、親が油断して目を離してしまったこと、そんなことが重なって起きてしまったケースでした。
理由はともかく、ふだんから「シンバルも強く叩いたら割れるよ!」とも注意していますし、スタジオ内の機材を破損させないように、これまで以上に気を付けないと…。親子で反省会を開いたレッスンの帰り道でした。
先生、お騒がせし本当にすみませんでした‥。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫