【ちょっとした感想文】『3行しか書けない人のための文章教室』前田安正

こうやって毎日つらつらとブログを書いていますが、書けば書くほど「文章を書くって難しいな」と感じます。

自分の思っていること、伝えたいことを正しく文章にできているのか?そして人にちゃんと伝わっているのか?

ただの自己満足であってもそれはそれで良いかもしれませんが、せっかくブログという公共の場で発信しているので、せめて見てくださる人に正しく思いを伝えたい。

そんなライティングスキルに乏しい私の助けとなる書籍を読みました。これで文章力を鍛えよう。

目次

文章の訓練が足りない

前田安正『3行しか書けない人のための文章教室』

図書館で借りてきました。

著者は早稲田大学卒業後、朝日新聞に入社。朝日新聞メディアプロダクション校閲事業部長を務めています。カルチャーセンターのエッセイ教室や企業の広報研修で文章づくりの指導をされているそうです。

本としては、随所に動物のかわいいイラストがちりばめられ、とっつきやすい印象です。

文章を書くことに苦手意識をもつ人がなぜ多いのか?

著者は「はじめに」でこう言います。

文章を書くことがなぜこんなに難しいことだと感じるのでしょう。それは、文章を書く訓練をしていないからです。学校生活において、日本語で文章を書くよりも英語に費やす時間の方が、圧倒的に多いのではありませんか?作文指導を受けた方も、かなりすくなくなっているのではないでしょうか。そして、それを指導するノウハウもほとんどないからです。

前田安正『3行しか書けない人のための文章教室』 はじめに

確かにその通りで、振り返っても学校で日本語の作文指導を受けたことはほとんどといって良いほどなかったし、ましてや社会人になって教わることもありませんでした。おそらく、今も教育の現場はそうなのでしょう。

ビジネスメールや報告書、SNSでの投稿など、現代社会を生きるうえでライティングスキルの重要性はさらに高まってきています。

また、文章だけでその人の性格・人格が人に伝わってしまうので、恐ろしくもあります。

とはいえ、「学校で習っていないから」と諦めてしまってはそこで終わりです。すこしでも読む人に伝わりやすい文章をつくれるようになるため、著者の言う「文章の筋トレ」をしていかないといけないのです。

本書は全3章の構成で、そのうち1章に基本となる書き方がまとまっています。それ以降は実践編になっています。

5W1Hを武器にする

まずは、物事を正しく進めたり伝えたりする際によく言われる「5W1H」を使いましょうね、ということです。

著者はこのように分解します。

いつ = WHEN

どこで = WHERE

誰が(は) = WHO

何を = WHAT

どうした = DO (DID)

「どうした」はWの要素ではなく、DO(DID)です。ここには四つのWしかありません。いわば「4W1H」です。「文章が書けない」という人は、この要素だけで書いているケースが多いのです。

前田安正『3行しか書けない人のための文章教室』 第1章

中でも重要なのは5つ目の「WHY = なぜ」だといいます。この「WHY」がないため、書くべき要素が欠けている文章が多いというのです。

逆にこの「WHY」を掘り下げていくと、3行だった文章がどんどん膨らんでいると例示しています。

なるほど、「なぜ」に「なぜ」を重ねていけば、無限に広がるのが感覚としてもわかります。

「え?」「なんで?」をなくす

読み手に疑問をあたえず、スムーズに文章を読んでもらうには?

伝わらない、わかりにくい文章とは、読み手の頭を悩ませる、説明不足の文章のこと。「WHY=なぜ、どうして」の要素を文章のなかに取り入れて、一つ一つ丁寧に書いていきましょう。

前田安正『3行しか書けない人のための文章教室』 第1章

先の「WHY」の重要性は、端的にいうと読み手のため、ということになります。

文章を読んでいる中で読み手が「なぜ?どうして?」と感じるのを先回りして文章を組み立ていこうというわけです。

また、「WHY」を加えると、状況の説明だけでなくそこからうまれる「行動」と「変化」が見えてきます。

相手に伝わりやすい文章の3要素として「状況」「行動」「変化」を挙げています。

書き手のジレンマ

人に向けて文章を書く以上、「うまく書きたい」と思うのは当然ですが、そこに現れる「書き手のジレンマ」にも言及しています。

「書き手のジレンマ」は、いわば書き手の錯覚から起こるものです。できるだけ多くの人に「読んでもらいたい」「理解してもらいたい」「共感してもらいたい」と思っているにもかかわらず、実際は読み手のことを意識していない場合がほとんどです。

前田安正『3行しか書けない人のための文章教室』 第1章

今でこそ、こんな平易な表現を使って文を書く私。しかし、中高生の頃はそれこそ好きな作家さんや本の影響で、小難しい言葉をよく使っていたことを思い出しました。

作った文章の中には、自分は読めても人が読めない漢字・表現などがたくさんあったと思います。若気の至りといえばくすぐったいのですが。。

また、「ので」「が」といった「つなぎの助詞」を多用し、一文がかなり長くなることもありました。

著者は一つの要素で一つの文を作り、主語と述語の対応を明確にすることを強調しています。

私たちの思っているより、文は簡素で良いのです。そう思ったら、なんだか気が楽になりませんか。

文章の膨らませ方

以上のポイントを整理すると、この通り。

  • 5W1Hを使いこなす
  • 文章は「状況」「行動」「変化」でできている
  • 読み手の立場になって書く
  • 一つの要素で一つの文を作る

これらを「わかりやすい文章」四つの掟、としています。

言われてみればそうだなと思います。なにより読み手側に立つ姿勢で文章と向き合えば、自然と文章はわかりやすいものになるということです。

一朝一夕には身につかない文章力。ですが、常に書こうとしていることについて、自分で「なぜ?どうして?」と投げかけることは簡単です。

それを繰り返し文章力の筋トレを積めば、きっともっと伝わりやすい文章が書けるようになるはずです。

この毎日のブログの文章が、これからもっと読みやすくなるように、私も日々努力します。

おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫

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