メルカリで買った一冊の本
ある日、なんとなくメルカリで買った一冊の本がありました。タイトルは「〇〇をやめたら、人生うまくいった」的なもので、最安値だったのでついポチっとしてしまった、いわゆる「なんとなく買い」。

中身はというと、筆者のスタンスがかなり明確。自分が前へ進むためなら、遠慮なく「やめる」「捨てる」「離れる」ことを勧めるタイプで、「人生は自分のためにある」という主張がビシビシ伝わってきます。
さばさばしていて気持ちいい部分もあるけれど、正直、読み終えた後にどこかもやもやが残ったのも事実でした。
「思いやりがない!その本、捨てようかと思った」
数日後、妻が私の本棚からその本を何気なく手に取ってパラパラと読み始めました。すると、読み終わるなり「もー全体的に思いやりがない!その本、捨てようかと思った」と、一蹴。思わず「そこまで言う!?」と内心驚きました。
ですが、妻の話を聞いて納得。内容の中には、気に入らなければ夫婦の関係もあっさり切ってよいとか、自分の時間を妨げる存在は排除すべきだといった、極端な主張が多く散見されました。なるほど、確かに「愛」や「思いやり」といった視点がほとんど感じられない。
彼女は私がその本の考えに影響されるのではないかと心配していたようですが、そこは大丈夫。私はあくまで「一つの意見」として受け取っていて、参考にはなっても共感はしていません。
たった一冊でも、会話のきっかけになればじゅうぶん価値あり
もちろん、人によっては自分の選んだ本にパートナーから口出しされるのを「余計なお世話」と感じるかもしれません。でも、私は今回の件をとても良いきっかけだと感じました。わずか数百円で買った一冊の本が、妻と深く語る時間をくれたのですから。(結果的に笑って終わりました)
その本が良かったか悪かったかではなく、それを通して「何を感じたか」「どう考えたか」をパートナーと共有できたことがなによりも嬉しい。妻の価値観、愛情、そして本当に大切にしたいものが改めて見えた気がしました。やはり、彼女はまっすぐ愛に生きる人だなぁと。
なお、件の本のタイトルは…ごめんなさい、伏せさせていただきつつ、適切に手放したいと思います。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫