名古屋に出発する直前、ソワソワする私。
自宅でずっと真顔だったそうで、そんな私を気にかけて妻が声をかけてくれました。
申し訳ないなと思いつつ、私は正直に、「実はいま、めちゃくちゃ緊張している」と答えました。
そりゃそうですよ。
日本超長距離界の生きるレジェンドの方々が勢揃いする、「さくら道国際ネイチャーラン」の舞台にこれから向かうんですから。
「自分らしく」「普段通り」、言い方を変えては自分を鼓舞するも、おのずと緊張は高まります。
自分でも気を緩めると呼吸が浅くなっているのを感じます。
「大丈夫」「いける」「心配ない」
結局、強がったところで、独りではなかなか気持ちの収まりがつきません。
そんな時、何気なく妻が送ってくれた言葉。
それは。。
ちょうど1ヶ月前に幕を閉じた、野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、MVPを獲得した大谷翔平選手の、ロッカールームでの円陣を組んだ時の一言。
僕からは1個だけ。憧れるのをやめましょう。ファーストにゴールドシュッミトがいたりとか、センターみたらマイク・トラウトがいるし、外野にムーキー・ベッツがいたりとか。野球やってれば、誰しもが聞いたことあるような選手たちがいると思うんですけど、今日一日だけは憧れてしまったら超えられないんで。僕らは今日超えるために、トップになるために来たんで、今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さぁ、いこう!
大谷翔平選手のスピーチより
あの。。。
大変申し訳ありません。。
実は。。
先の野球も含めてニュースを見ていない私。
1ヶ月遅れでこの言葉を聞きました。
そしてこの言葉、オリジナルの大谷選手でなく、我が家の妻の口から出たのを最初に聞いてしまったので、思わずその瞬間、妻の後ろに光が差して、目の前が明るくなったのです。
パァーーーーって(笑)
そして、ぐすんと泣くのをこらえる私(笑)
あーそうだ。
周りは確かに、界隈では有名な国内エリートランナーさんがずらり勢揃い。
すごいなーすごいなーと憧れるけど、今回の「さくら道」、走っている時だけは、それをいったん置いてこよう。
そもそも先輩ランナーさんたちとの勝負でもなければ、別に自分が相手にされているわけでもない。
であれば、私は私で、自分のゴールを目指して走り切ろう。やり切ろう。
そう思えたのです。
妻と話して、胸がすっとしました。
妻からは、この「さくら道」の出走については、特にあれこれ言われませんでした。
ただ、最後に「無事に帰ってきてくれたら、それで良い」と念を押されました。
うん、それだけは約束します。
そして妻から送られてきたLINE。
名古屋のお土産、承知しました!!( ̄^ ̄)ゞ笑
笑顔で見送ってくれて、ありがとう(^○^)
まずは無事に帰ってくるね。
では、金沢から名古屋へ出発!
(さくら道国際ネイチャーランまであと1日)