知らず知らずのうちに人を不快にすることをやっていないか
「育ちのいい人が絶対にしない60の振る舞い」とサブタイトルがついた本書が、なんとも痛快で、そして耳の痛い内容でした。
誰でもついついやってしまいがちな下品な振る舞い、自分ではきがついていないいやしい言動、不愉快きわまるマナーの欠如などを取り上げ、そうしたことは恥ずべき行為だときづいてほしい、そんな著書の思いがこめられた一冊、興味深く拝読しました。
ところどころ著者の主観がちらちらと見えつつも、概ね一般常識で「そうだよね」と思え、我が身を振り返るきっかけとなりました。
大人になったからこそ見直すべきこと
たとえば、「ありがとう・ごめんなさい」をきちんと伝えない」、「姿勢が悪い」「我先に、が癖になっている」「悪口を言わない」など、どれも子どもの頃に親や先生から注意されたような内容です。
ですが、大人になると誰も注意してくれない。だからこそ、直らずそのまま…なんてこと、思い当たる節も多々あり。読んでいて「ああ、自分もやってるかも」と冷や汗が出るような項目がたくさんありました。
特に印象に残ったのは、「お金・買い物の習慣NG」のパート。「高い!」「安い!」という言葉は、思った以上に品のなさが出るという指摘に、なるほどと深くうなずきました。
自分の買い物に対して人から「それ高っ!」とストレートに言われたときの、あの妙な違和感。自分では納得して買っているのに、なんだか上から評価されたような気がしてモヤモヤする…誰しも一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
品のよしあしは自己責任
著者はいいます。「ある程度の年齢になっているなら、品のよしあしは親の責任ではなく、自分自身の責任だと自覚すべきだ」、と。
たしかに、ちょっとした心のゆるみが、あっという間に、だらしなく品性下劣な人にしてしまう。これ、実は紙一重のようなものであると思うのです。
私たちにできること。育ちよく・上品になろうと無理に背伸びするのではなく、「せめてこれくらいはやめておこう」という控えめな姿勢の方が、長く続けやすく、自然な立ち振る舞いにもつながるのかもしれません。
日々、品よく、気分よく過ごしていきたいものです。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫