誰もが聴いたことがあるであろう、スピッツの名曲「ロビンソン」。
オリジナルは1995年の4月にリリースされ、ボーカルギター・草野マサムネさんの予想とは裏腹に大ヒットを記録。これまで多くのアーティストによってもカバーされてきました。
私にとってもこの「ロビンソン」は思い入れのある曲で、毎年この四月の半ばに決まって脳内に戻ってくるのです。
新しい季節は なぜかせつない日々で
河原の道を自転車で 走る君を追いかけた
思い出のレコードと 大げさなエピソードを
疲れた肩にぶらさげて しかめつら まぶしそうに同じセリフ 同じ時 思わず口にするような
ありふれたこの魔法で つくり上げたよ誰も触われない 二人だけの国 君の手を離さぬように
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬よせるよ
いつもの交差点で 見上げた丸い窓は
うす汚れてる ぎりぎりの 三日月も僕を見てた待ちぶせた夢のほとり 驚いた君の瞳
そして僕ら今ここで 生まれ変わるよ誰も触われない 二人だけの国 終わらない歌ばらまいて
大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る大きな力で 空に浮かべたら ルララ 宇宙の風に乗る
スピッツ「ロビンソン」 詞・草野マサムネ
ルララ 宇宙の風に乗る
ふと不思議なことに気づきました。みなさん、この曲って、どの季節の曲だと思いますか?春・夏・秋・冬?
きっと高確率で、「春」になると思うのですが、実はこの歌詞の中でそれが「春」だと言い切れるフレーズは見当たりません。
たったひとつあるとすれば、冒頭の「新しい季節」。これだけなのです。これってすごくないですか?「新しい季節」というだけで、この小さな歌の舞台が夏でもなく、秋でもなく、冬でもなく、春だって。人々の頭の中にぱっと浮かぶのですから。これぞまさに、マサムネさんのマジック。
私のアタマの中にも浮かぶ、こんな景色。
地元の「ロビンソン」ぽい道を走る。そんな時、ふと流れてくるのがこの曲なのです。
しかも、決まって現れるのは、春のちょっと落ち着いた頃。おおよそ四月の半ば。卒業式・入学式・職場の環境の変化、いろいろひと段落したところで、あのイントロが脳内にやってくるという。
賑やかなイベントを経て、キレイな桜を愛でて、そして春のなんとなくもの悲しい気持ちを感じ出すのは、ちょうどその頃なんですよね。
イントロのコードは、DM7 → C#m7 → F#m7(11) → F#m7の繰り返し。何度聴いても、三輪テツヤさんの透き通ったギターのアルペジオが急になりだすと、胸がぎゅうと締め付けられるような感覚があります。こんなにシンプルなフレーズなのに、奥が深い。深すぎる。。
いきなり夢の中のような世界から始まって、Aメロで現実世界で目が覚めて、Bメロでまた夢の世界への助走をつけつつ、サビで好きな子と手をつないで空を飛ぶ…。そんな光景が浮かびます。
「ルララ 宇宙の風に乗る」って、めちゃくちゃロマンチックじゃないですか。しかもこの「ル」と「うちゅ」の、マサムネさんのファルセット(裏声)がインパクト大。聴いたら忘れられない効果があるのだと思います。
蛇足ですが、私、マサムネさんの「さ行」「しゃ行」の発音が好きなんですよね。「ロビンソン」でいうと、「かわらのみちを じてんしゃで はしる」や「しかめつら まぶしそうに」の「し」とか「じ」とか「た行」の「ち」とか。伝わる方がいれば嬉しいです。
さて、季節はちょうど四月は半ば。あえて「4月」でなく、「四月」としたいのもの、きまぐれとしつつ、このなんとなくせつない季節を「ロビンソン」を聴いて味わいたいと思います。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫
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