早朝の着信と、父の救急搬送
7月8日、朝目を覚ますと、家族から着信がありました。深夜に父(69)が倒れて、救急車で病院に運ばれたというのです。
先に病院に着いた家族の話を聞くと、父は突然左手にしびれが出て、ろれつがまわらなくなったのこと。
トイレに行ったあと、水を飲もうとした際、椅子に座る動作がぎこちなく、いつもならきちんと閉めるペットボトルのキャップもきちんと閉められていなかったそう。
その後、ふらつきながらトイレに行き、「寝る」と言ったきり、体をうまく動かせなくなったのです。
救急車を呼んだのは母でした。前日にはふつうに元気で、夕食には母のために焼きそばを作ってくれていたというのに。
今現在、父は左足と左腕が動かず、カテーテルでの治療中。足の付け根から脳へ通す処置で、母が同意書にサインしました。
さきほど面会したとき、父はたしかにろれつがまわっていませんでしたが、冗談を言う調子はいつもと変わらず。
「グッド」と指を立てて見せたり、いつもそんなかんじなので、それがふざけているのか本気なのかわかりません。
いま、待合スペースでこの文を書いています。
七夕に祈る
病院の救急待合室。早朝の静まり返ったスペースには、七夕の短冊がまだ飾られています。
そういえば
昨日が七夕だったことを思い出し、「願いが一日遅れでもいいから、叶ってほしい」と願うばかりです。
家族でただじっと待つ時間。母はなぜか「トムとジェリー」のシャツを着ています。こんな時に、なぜか気になる…。
看護師さんの丁寧な聞き取りで、父のこれまでの健康状態が明らかになっていきました。
今まで手術歴はなくほぼ健康、高血圧や尿酸値を抑える薬を飲んでいる程度。あまり気に留めたことがなかった父の体のこと、図らずも今回初めて知ることになりました。
あたりまえの奇跡に気づく
父はお調子者で、人を笑わせるのが好き。今は介護ヘルパーとして働きながら、新たに資格取得を目指していました。
「まだまだやりたいことがある」と言っていた父に、こんな形でブレーキがかかるなんて。わからないものです。後遺症はあるのかなぁ…。
回復したあと、父はどんな世界を目にするのでしょうか。おそらく、家族全員が健康でいることのありがたさを、これまで以上に深く感じると思います。
そんな「当たり前」の日々が、どれほど尊いものであったか。その喜びを、家族みんなでかみしめている、この待ち時間は、まだしばらく続きそうです。