6月19日15時過ぎ。石川県能登地方で震度6弱の地震を観測しました。
県内での地震は頻発していて、「いつか起きること」が、もしかするともうそろそろかもしれないと感じます。
生き延びるためにわたしたちにできることとは。
防災と減災の違い
近年の自然災害の頻発を受け、よく「防災」と「減災」という言葉を耳にします。
「防災」とは、防災は災害を未然に防いだり、災害による被害を防ぐための備えのことで、一方「減災」とは災害の被害を最小限に抑えるための備えのことを意味します。
前者は災害の被害をゼロに近づける取り組みのことで、例えば過去の災害データを基にした建物の耐震化や河川の改修、災害マニュアルの作成から警報システムの開発まで被害抑止に関わることが挙げられます。
もともとこの「防災」の考え方が主流だったのですが、1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに予想をはるかに超えた災害が起きた場合に「防災」が機能しないことが何度も起こってきました。
そこで見直されたのが「減災」という考え方。
減災は、災害による被害を最小限に抑えるための対策をいいます。災害による被害が生じてしまうことを許容しつつ人的・物的な損害を減らそうというです。
具体的には、家族や近隣住民との連携、避難場所の把握、備蓄品や常備品の用意、家具の固定などの耐震対策、などが挙げられます。
防災が理想論である一方、減災はより合理的に災害の被害を抑えるための取り組みとして、今注目されています。
そこで思い出したのが、義父の話です。
義父のタンスの話
先日、義父から相談がありました。
寝室にある大きなタンスが、大きな地震が起きて寝ている間に倒れてこないか心配なので、タンスを固定する方法がないか、ということでした。
確かに妻の実家の寝室には義母の嫁入り道具の巨大なタンスが鎮座していて、これが寝ている間に倒れて頭に当たったらひとたまりもないな、、と思いました。
父はあれこれ固定する方法を考えていましたが、結局わたしから内装業者さんを紹介し、タンスの背面にベニヤを貼り、タンスの内部から金物を打ってがっちり固定することになりました。
義父としてはこれで一安心。ということでしたが、わたしはこの一件が強く印象に残りました。
ミニマリスト的減災の考え方
真面目な義父は、家具の固定ということで「減災」を実施しています。
これはこれで立派な取り組みだと思うのですが、ミニマリスト的な発想でいくと、そもそも倒れて危険なタンスを置かない、ということになります。
もちろん、価値観はそれぞれなので、タンスが良い悪いではないのですが、危険だとわかっているモノを常日頃から部屋に置かない、というシンプルな考え方です。
我が家には背の低い衣装ケースはあるものの、タンスはありません。
寝室には布団(ベッドはない)が転がっているだけで、頭の上には照明器具しかありません。
これで地震が起きた場合でも、最小限の被害に抑えられると思っています。
また、他の部屋でも極力目の高さ以上の場所にはモノは置いていません。
あっても、落ちて割れてケガをするものはありません。
つまり、もともとモノがないので、余計な心配がないのです。
先の能登半島を震源とした揺れを感じたとき、自宅にいた妻と息子くんは室内で落ちてくるモノがなかったからこそ冷静でいられたということでした。
不測の事態に家族にそう感じてもらえたということは、わたしとしても間違ったことはしていなかったのだなと思います。
そうやって、ミニマリストとして常日頃から室内のモノを減らす取り組みをしていることで大切な人の命まで守れるとしたら、これからも今のミニマルライフを送っていこうという励みになります。
わたしたちがいますぐできる減災は間違いなく、身の回りのモノを減らすこと。
単純すぎて他人様へのアドバイスにもならないかもしれませんが、そう断言できます。
ミニマリズムからひとつでも大切な命が救われたら良いなと思っています。