冷酷マシーンにも、弱点がある
なんでもポイポイ捨ててしまうワタシ。断捨離の鬼と呼ばれても、反論の余地はありません。
着なくなった服、使わない文房具、読まなくなった本……判断は一瞬。まるで感情のないマシーンのようだな、と自分でも思うことがあります。
ですが、そんな私にも、どうしても捨てられないものがあります。いえ、正確には「捨てたくない」ものです。
それは、妻からもらった手書きの付箋(ふせん)です。
小さな紙に詰まった、かけがえのない記憶
それは黄色やピンクの、どこにでもあるような付箋。そこに書かれた妻の文字。
「掃除、ありがとう!」
「洗濯取り込んどいたよ」
「今日はゆっくり休んでね」
そんな日常のひと言が、今でも私の手元に残っています。付き合っていた頃から、結婚して、子どもが生まれたあとも。
実はこっそり集めて、重要書類のスペースにしまっているのです。妻には内緒です。知られたら気持ち悪いと笑われるかもしれません。でも、それでも構いません。
なんというか、その文字には、彼女の「その瞬間」が詰まっている気がするのです。まるまるとして、少しふにゃふにゃな字。
急いで書いたのか、丁寧に書いたのか、気持ちがそのまま紙ににじんでいるように思えます。
一時期は、写真に撮って保存しておけばいいのでは?と思ったこともありました。でも、それはなんだか違う。
紙そのものに宿っている空気感が、大切なのだと感じたのです。
一瞬でその時に戻れる付箋のメモ
たった一枚の付箋を手に取るだけで、タイムマシンのようにその瞬間へ戻ることができる。これ、不思議な感覚。
「あの時、息子くんはまだ赤ちゃんだったね」
「あの夜はケンカしたよね」
そんな記憶が一瞬でよみがえるんです。
付箋のメモには、日記とは違う、もっと自然で無防備な言葉が書かれていて、それがかえって心に刺さるのです。
これはもう、私にとっての永久保存版。誰かに見せるつもりはありませんが、きっと墓場まで持っていくと思います。
誰トク?最近そんな記事ばかりですみません。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃