※サムネはイメージです。我が家の朝食はおにぎりとゆで卵。パンと目玉焼きもいいですよね‥。
「朝飯前」に隠された思考のゴールデンタイム
外山滋比古先生の名著『思考の整理学』の中に、印象的なくだりがあります。「朝飯前」という言葉についての考察です。
私たちはよく「それくらい、朝飯前だよ」と、物事が簡単にできる様子を表す際にこの言葉を使いますが、外山先生はそこに疑問を投げかけます。
簡単なことだから、朝飯前なのではなく、朝の食事の前にするために、本来は、決して簡単でもなんでもないことが、さっさとできてしまい、いかにも簡単そうに見える。(中略) どんなことでも、朝飯前にすれば、さっさと片付く。朝の頭はそれだけ能率がいい。
外山滋比古『思考の整理学』
なるほど。確かに思い返してみると、日中どれだけ考えても進まなかったことが、翌朝ふと目が覚めたときに解決策が浮かんでいたり、気分が一転して前向きになっていたりすることがあります。
夜は悲観的にしか考えられなかったことも、朝になると「まあ、なんとかなるか」と楽観的に捉えられる——。それこそが、朝の頭がクリアで前向きな状態、朝飯前の思考力なのでしょう。
「朝食を抜けばいい」説と、私の選択
そんなスーパータイムである朝飯前の時間。外山先生はその時間を最大限に活かすために、「朝食を抜いてしまえばいい」とばっさり切ります。
食後はゆっくり休む。そのかわり、食前はすべてを忘れて仕事に神経を集中させる。これには午前中をすべて朝飯前にするのがよろしい。八時に起きても四時間ある。その間に、その日の仕事をすませてしまう。
外山滋比古『思考の整理学』
なるほど、朝ごはんを抜く‥。これはたしかに集中できそうな気がします。できる方は実践してみると良いと思います。
一方、我が家では家族そろって、だいたい毎朝7時前後に朝ごはんを食べるのが習慣。そうすると私にとっての「朝飯前」は、自然とその時間までの数時間に限られます。
だからこそ、「いかにしてその時間を長くするか?」という問いが重要になってくるのですが、答えはシンプル。
早寝早起きをすること、それに尽きます。
夜更かししていたら、当然朝の時間は短くなるし、頭も冴えません。早く眠り、早く起きて、静かな時間を独り占めする。そうすることで、朝の「思考ゴールデンタイム」は自然と広がっていくのです。
終わりがあるから、集中できる
「朝飯前」の時間は、終わりがあるからこそ集中できます。「7時までにこれを終わらせる」と目標を決めると、その時間内で最大限に頭を回そうとするからです。
だらだらと取り組む時間ではなく、限られた数十分、数時間をどう活かすかという勝負。まさに、思考の筋トレ時間だと思います。
今朝もこの記事を書いたら、語学の勉強をして、軽く外を走ってきます。せっかく目が覚めて起きたなら、朝飯前の時間を主体的に使うこと。
心に留めると、何かが変わりそうな予感がしませんか。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫