いつか夢で見たのか、現実にあったのか。
私のアタマの中に緑の風景が広がります。
広大な緑の中、進む一本の貨物列車。
列車はどこまでも長く、終わりが見えません。
また、ひとつひとつの貨物は、外からは何が入っているかわかりません。
乗客は私ただひとり。
毎日ぽっぽーっ、と自分で列車を走らせながら、すこし立ち止まっては、せっせと最後尾に貨物を付け加えていきます。
私は考えます。
「今日は何を入れようか?」
車掌の私は適当でいい加減なので、その日その日で中に入れるものは違います。
ぎゅうぎゅうに詰め込む日もあれば、すっからかんな日もある。
私はそれをいちいち気にすることもなく、今日も貨物を独りで付け加えていく。
ただただ、その行為を続けていくだけで、実は終着駅を定めていないことにも、当の本人は気づいています。
ですが、そんなのお構いなし。
ふと気になった時に、止まって貨物の中身を見返してみたり、そこでまた新たなことに気づいたり。
彼はもう、それだけで満足のようです。
天才でも何かに秀でているわけでもない、凡人車掌の貨物列車。
そのままどこまで行けるかわからないのですが、本人が楽しんでいるなら、それでよし。
おやおや、そんな貨物の中身、どうやら今日はすっからかんのようです。
大丈夫。そんな日もあるのです。
そんな重量さまざまな貨物も、今日でちょうど400個目。
そろそろ車体が長くなってきました。
明日は何を詰め込もう?
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫
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