自分ではどうしようもない時もある
しばらく気分が沈んでいた私に、妻がぽつりと放った言葉がありました。
「感情は自然現象だよ。自分ではどうしようもない時もあるよ」
ふむ。そうだよね。私にとって妙に腑に落ちる言葉でした。雨が降るのも、風が吹くのも、人間の力ではどうにもならないこと。感情も同じように、自分でコントロールしようと無理をしても、逆に疲れてしまうものです。
それならば、もう抗うのではなく、ただ身をゆだねてみようかと考えました。食事・睡眠・運動・通院、やるべきことはきちんとこなしている。それ以上、必要以上に憂うことはないのだと。
「自分をほめてあげよう。こんなに心身を大切にしているじゃないか。」
そう思うと、少し気持ちが楽になりました。雨の日は雨、曇りの日は曇り。ただ、その事実を受け入れること。ただそれだけでよかったのです。
妻のアドバイスで大笑い
神妙な顔をしている私に、妻が突然言いました。
「肩を動かさずに、腰を真一文字に横に振って踊ってみて」
なんだそれ?と思いながらも、言われるがままにやってみました。すると、思わず「ぶふっ」と吹き出してしまいました。こんな動き、自分の引き出しにはなかった。しかも、お手本を見せる妻は真顔で腰をフリフリしている。
それを見たら、もう耐えられません。げらげらと声を出して笑いました。久しぶりに、こんなに無邪気に笑った気がします。
そして、笑った瞬間、まるで自分の中から何かが「ぽん」と飛び出したような感覚がありました。実際に目に見えるものが出たわけではないけれど、ずっと身体の中に巣くっていた何かが抜け落ちたような、そんな感じ。
受け入れることで見えてくるもの
気づけば、朝の目覚めも戻っていました。何かを乗り越えた、という感覚とは少し違います。ただ、目の前にあることをそのまま受け入れることができるようになった。それだけで十分だったのです。
外の世界をふと見ると、雪が積もっています。天気予報によると、これからしばらく寒波が続くようです。でも、それもただの自然現象。焦らず、落ち着いていきたいものです。
時には、自分の感情すらも自然の流れとして受け止めることで、心が軽くなることがあります。そして、ちょっとした笑いが思いがけず、心をほぐしてくれることも。
妻の何気ない一言と、変なダンスが、私のスイッチを押してくれたようです。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫