分かっていた、ハイスピードな食事
気がつけば、何かに追われているかのように目の前の食事をぱくぱくと急いで食べてしまう私。いや、ちゃんと味わっているつもりなんだけど‥。
隣にいる妻は私からするとまだ「ゆっくり」なのですが、本人にしてみればそれでも早いと感じているようです。
食べ終わったあとには決まって「あぁ、もう少しゆっくり味わえばよかった」と反省するのですが、なかなか習慣は変えられません。
最近、妻が自分に言い聞かせるように「私、もっとゆっくり噛んで食べようっと!」と言ったのを私は聞き逃さなかった。じつはその瞬間、私も同じことを思っていたのです。
トットちゃんの歌に教えられた
ちょうどこの夏、私は黒柳徹子さんの名著『窓際のトットちゃん』を読んでいました。これが初見だったのですがめちゃくちゃ面白い。子どもの頃に読んでいたらまた見える世界は変わったかも?
その物語の中で、トットちゃんの通う学校の校長先生が、子どもたちと一緒に歌う歌が出てきます。
よーく噛めよ
黒柳徹子「窓際のトットちゃん」
たべものを
噛めよ 噛めよ 噛めよ 噛めよ
たべものを
これは、童謡の「船をこげよ」の替え歌だそうな。むむ、ワタシ、その元ネタも知らない。
トットちゃんの回想によると、校長先生は「よく噛んで」という直接的な指導ではなく、食事はみんなで話しながら、ゆっくり楽しむものだよと伝えたかったのだといいます。
ですが私には、このシンプルな言葉がとても響きました。そうだ、もっと噛まなければいけない――。またまた急に思い立ったわたしたち、夫婦で意識して「よーく噛んで食べる」を実践することにしました。
よく噛むと、いいことたくさん
実際にやってみると、妻はいくつかのメリットに気づきました。
まず、一食の量が少なくても満足感を得られること。ゆっくり咀嚼し、一口ごとに箸を置いて味わうことで、以前ほど多く食べなくても「もういいか」と思えるのです。
その結果、夕食の品数を一品減らしても平気になり、食事の準備や片付けも楽になったとのこと。もともとマルチタスクが苦手な妻にとっては大きな助けです。
ただし栄養面は大切。野菜ときのこがたっぷり入った味噌汁さえあれば十分なのです。
さらに私にとっての効果は逆流性食道炎の予防。じつは毎年の人間ドックで指摘されていたのですが、早食いや大食いが原因なのは明らかでした。よく噛むことで胃の負担が軽くなり、症状も和らいだ気がします。
加えて、よく噛むことは歯の健康にもつながります。今は定期的に歯のメンテナンスをしていますが、20年後、30年後もおいしく食べられるようにするための投資だと思うのです。
って、結局大切なことは私たちずっと言われてきたじゃないですか?
睡眠、大切だよ
運動、大切だよ
食事、大切だよ
そしてよく噛むこと、大切だよ
そろそろ素直にやってみよう。そんなことに気づく、43歳の夏‥。
いや、いま気づいてよかったと思いたい!
家族で一緒に実践する「よく噛む」習慣。これも小さなことですが、健康や暮らしに大きな変化をもたらしてくれそうです。
噛めよ噛めよ噛めよ噛めよ たべものを~♪
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫