【雑記】お盆期間に思い出す古い友人 浮かんでは消える彼こそマジシャン

お盆の時期って、ご先祖様のことはもちろん、生きてきた中で出会った「あの人」のことを思い出したりしませんか?

大好きだった人、ケンカ別れした人、なぜか疎遠になってしまった人。

その顔は覚えているのに、今どこで何をしているか、わからない人。

今の今まですっかり記憶のかなたに追いやってしまっていたのに、何かの拍子に現れてくる人。

文明の利器・Facabookをたどれば、偶然ご本人のページにたどり着いたりすることもありますが、それでも出てこない方もいる。

最近、息子くんといっしょに遊んでいる時に、ある古い友人の顔を思い出しました。

14歳、中学校2年生の時。

私は中学校1年の二学期から1年ほど不登校で、ようやく学校に行き始めた頃。

先生の勧めで新たに部活に入り直そうということになり、いい加減な私は「前に走るだけなら」と安易に陸上部を選んだのでした。

当時私は100mとか110mハードルとか、適当にやっていました。

思い出すのは、その陸上部にいた同級生Yくん。

同年代の中でも知的で穏やかで、どこか大人びていた風貌。

そんな彼に、後々大きな影響を受けることになりました。

まずこのYくん、足がめちゃくちゃ速い。

確か800mを専門に走っていたのですが、学校の中で一番速いのはもちろん、県大会でも優勝レベルの実力。

800mを2分以内に走るって、こんなかんじなんだ~と、友人の走りに感動していたのを覚えています。

それ以外の陸上部の同級生はというと、みんないい加減で真面目に練習しない(笑)

そんな緩さが当時の私には合っていたのですが、それもあって、真剣に陸上に取り組むYくんの姿ははつらつとして、まぶしく映ったのです。

そのYくん、走るだけでなく趣味もキラキラ素敵でした。

なんと、マジック(手品)とミステリー(推理小説)大好き少年だったのです。

今思い出しても、とても14歳とは思えないほど、造詣が深く、レベルが高かったのは間違いありません。

「マジックの神様」とも言われる故ダイ・バーノンの名前を初めて聞いたのも彼からでした。

Yくんが魅せるマジック、カードを操る手元の動きの滑らかさ、巧みさ、息をのむ展開と結末。

私にとって、テレビで見るマジシャンの雰囲気と、遜色ありませんでした。

そしてマジックド素人の私は、Yくんの影響をモロに受けてカード(トランプ)を買って自宅でマジックの練習をしたものでした。

さらに、ミステリーについても彼から与えられた影響は計り知れません。

当時、「金田一少年の事件簿」がヒットしていた頃でしたが、Yくんはそれより前からオトナのミステリーをこつこつ読破していました。

特に私たちが好きだったのが、島田荘司御大を筆頭に名を連ねた「新本格ミステリ」の数々。

綾辻行人・折原一・歌野晶午・法月綸太郎・有栖川有栖・我孫子武丸・京極夏彦(敬称略)などなど。。

分厚い本を夢中で読んでは、Yくんとお互いに感想を語り合った覚えがあります。

中学生でオトナの殺人事件を題材にした小説にドはまりしていたのを、親がどう思っていたかはわかりませんが。。

おかげで、今でもミステリーは大好きです。

このお盆期間、息子くんと「はらぺこあおむし」のトランプで遊んでいる時、ふとYくんの顔がよぎりました。

「彼、元気かなぁ」

なんて、やらなければ良いものを、私はSNSをぐるっと回って、彼の消息を調べてみました。

ところが、彼のページはもちろん、現在の姿をとらえるような情報はいっさい見当たりませんでした。

多感な中学生の頃、私に大きな影響を与えた友人は、いったいどこにいったのだろう。

それこそ、マジックでキツネにつままれたような、感覚。

私はすぐにネットでひとつのトランプを購入。

カードマジックご用達の「バイシクル」です。

私は手が小さいので、ブリッジサイズがちょうど良い。

久しぶりに触ったカードは、とてもなめらかでつるつるしていて、油断していると手元からこぼれてしまう。

ちょっと昔のマジックを思い出して、息子くんに見せてあげようかな?

と、思い立って、簡単なカードマジックを練習。

息子くんお気に入りのババ抜きや神経衰弱で一通り遊んだ後、「パパさん、ひとつ魔法見せてあげるね」と言って、披露しました。

息子くん

?えぇ~~~っ!!??どうなってるん??

そのリアクション、ありがとうございます(笑)

初歩的なマジックでしたが、おおいにうけたようです。

おー、単純に嬉しいな。

マジックには、人のこころをぎゅっとつかむ、まさにマジックがある。

きっとYくんもそんな瞬間がクセになって、はまっていたのだなぁ。

そういえば、最後に彼に会ったのは、大学構内だったっけ。

その時も、洗練されたマジックをひとつ魅せてくれました。

そのワザがすごすぎて、なんだかワケのわからないレベルに達していたなと思ったのが最後、彼の行方は知りません。

きっと今頃また周りの人を驚かせて眼鏡の奥でニコニコわらっているんだろうな。

懐かしい顔が、浮かんでは消える、お盆期間でした。

おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫

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