40歳から「ピアノが趣味です」と周りに言いふらすようになりました。
何気なく自宅にあったキーボードをピコピコ押すところから始まって、今ではぎこちないながらも数曲弾けるようになってきたところ。
最近、ますますピアノが面白くなってきました。
そして私の心のよりどころは、週1回の練習場所の「俵スタジオ」。
ここは図らずも、「もっと上手になりたい!」と刺激を受ける場にもなっています。
ピアノラン
いつの間にか、休日のルーティンのひとつとして、「ピアノラン」が定番になりました。
これは私が勝手に命名したもので、要はピアノの練習とランニングを掛け合わせた活動をいいます。
そのまんまです。
私の場合、自宅から6km先に「金沢市俵芸術交流スタジオ(通称:俵スタジオ)」があります。
そこまで走って行って、ピアノを練習して、走って帰る、ということをしています。
つまり、往復12kmのランニングの間にピアノの練習を挟む、という。
ランニングもしたいし、ピアノも弾きたい。
我ながら単純というか、欲張りというか、何も考えてないというか、気づけば自然とそんな行動に出ていました。
しかし、これがなかなか満足度の高い時間で、特にスタジオで過ごす週1回・2時間という時間が、私にとって心の支えになっています。
ファイナルファンタジーの曲
「俵スタジオ」は平日の午前中は、他に練習している方もほとんどいない、静かな校舎(廃校の小学校)です。
グランドピアノの前に座り、ウォーミングアップにアプリ『シンプリーピアノ』ですこし指を慣らしてから、楽譜を開きます。
私の最近の練習曲は、92年発売のスーパーファミコンの名作RPG『ファイナルファンタジーⅤ(以下FFⅤ)』の曲。楽譜はメルカリで購入しました。
私の心躍る曲は、やはり子どもの頃に聴いたゲーム音楽。
手に汗を握りながら聴いた曲は、どれも心に残っていますし、聴いた瞬間、ゲームの場面を思い出します。
セーブができないダンジョンの攻略中に、母から「ごはん~」と呼ばれるのは、あるあるですよね。
特に私が好きなのがこちらの『FFⅤ』。
今思えばたった16メガビット、音楽は数和音のピコピコ音ですが、あまりにもメロディ自体が素晴らしすぎるので、30年経ってもまったく色あせていません。
感動のメロディ、生きているうちにそれらを自分の手でプレイしてみたい。
昔からぼんやりそう思っていたことを、今ようやく実際にやっている、というところです。
そうそう、この楽譜「楽しいバイエル併用」とありますが、そもそもワタクシちゃんと「バイエル」を通っていません。
ふむ。「バイエル90番程度」とはどれほどのものか。。
わからないので、一小節ずつ読譜して、指を置いて音を確かめながら、1歩ずつ前に進んでいます。
完全に牛の歩みです。
果たして1曲弾けるようになるのは、いつになることやら?
隣のピアノマスター
そうして、つまつまとピアノを弾いていると、隣の部屋から、流れるような激しいメロディが聞こえてきます。
私と毎週ほぼ同じ時間に隣で練習している方がいるのです。
その方が弾いている曲は、なんという曲かすらわかりませんが、とにかく速くて、もうどんなアタマと指の連動になっているんだろう??と、ぽかーんと聴き入ってしまいます。
もはやそのレベルに達するには、どれほどの時間と労力と努力を重ねたのか、想像も及ばないくらい。
おそらく、小さな頃からずっと練習していたんだろうな、練習がイヤな時もあっただろうな、でも、大人になってこんな山の上まで来て練習しているのだから、今はきっと楽しんで弾いているんだろうなぁ。なんて。
まったく、隣の部屋の素人が、余計なお世話ですね。
そしてある時。
その素晴らしい曲にあまりにも感動して、スタジオを出て来られたタイミングで、隣のピアニストさんにお声掛けしてみました。
実はその時まで隣の方がどんな方か、お見かけしたことがなかったのですが、やはりピアノの旋律同様、とても上品なご婦人でした。
「いつもいらっしゃいますね。素晴らしい演奏に感動しました!」
いきなり声をかけられたピアニストさんは当然私に驚きましたが、快く応えていただけました。
「いえいえ、そんなたいしたことありません。ショパンも弾けませんから。。」
って、謙遜の仕方が、なんか間違ってるーーっ!!
「お互いに、それぞれ楽しみましょうね」
と、にこっと去って行き、私もあぁそうだな、と思いました。
こんなところで別に人と比べる必要もなく、ただ自分の好きな曲を好きなように弾けば良い。
山の上のスタジオにて隣同士、片やピアノ初心者がポロポロ練習、片やピアノマスターがピロリロリロリン~ッ♫。
面白い画です。
私もマスターみたいに練習を重ねたら、もっと上手になれるかな?
勝手にモチベーションが上がります。
そうそう、思い出したのが上の『FFⅤ』。
主人公の行く先々の街にピアノがあり、それを触ると、どんどんピアノが上達していくという小ネタがありました。
私もそれにあやかって、いつかピアノマスターになれるように、練習するぞっ。
好きな曲を自分の納得のいくレベルで弾けるように。
おしまい≡⊂( ^-^)⊃♫